鑑定士と顔のない依頼人 ☆☆☆☆
アマゾンプライムであったので事前情報なしに見てみましたが、面白かったです。
なにが面白いかって言えば、見終わったあとの余韻がすごい。ラストの風呂敷のたたみ方は不幸なんだけど幸福とも取れる。絵画と同じような感じ。一見綺麗に見えるけどよく見たら怖いモチーフがあるみたいな。
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そう、モチーフで絵画があると思う。女性の絵画が一面に飾られている部屋が最後の風呂敷たたみというか、積木くずしというか、の最初のキッカケになるし。
ひとつの絵画でもいろんな見方ができるように、物事もひとつの見方だけでなく別の方向からの見方もできるというか。
あと、偽物の中にも本物が存在する、という言葉も作品のスパイスになってる。
ラストのシーン(時計が大量にあるレストランは鑑定人の痴呆になっている時に見ている精神世界であり、大量の時計は彼の精神時間の感覚が狂っていることと、彼女が彼のところまでくるのを信じて待つ無常な時間を描写しているように思ってる。)は、鑑定人が偽物の中に本物の愛があったと信じているからこそあの精神世界で連れを待っているんだろうな。これまで誕生日も一人でいてた鑑定人にとって愛する人があらわれたことは人生の中で幸福に含まれるのかもしれない。
たとえそれが現実逃避で精神世界に閉じこもったとしても。それが詐欺で騙された結果ではあったとしても。詐欺をするその見せかけの偽の愛情の中に本物を敏腕鑑定人が鑑定人として見出したのかもと思えるから。
でも、詐欺によって痴呆症になってるのが可哀想で。
後味が本当に苦い・・・。
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あと、例えば、鑑定人が主人公で鑑定人の視点から描かれているからラストがアンハッピーエンドというか切ない気持ちになるんだけども、もしこれが騙す側からの視点だったらどうか。気難しい融通の聞かない嫌な老人鑑定人にこれまでの恨みつらみを晴らすため知り合いと協力して老人鑑定人が見事に騙されて目論見通り女性に恋に落ちて行く。これをコケティッシュに描いたら私はラストの展開でざまぁと思うかもしれないなと思った。(もちろん詐欺をするほうが悪いけどもね)
そういう見方、描き方もできると思う。
つまり、受け取り方が人それぞれであるってこと。
それは絵画に限らず芸術作品に通じる感じもするな〜。
受け取り方は人それぞれ、描き方も人それぞれ、なんてね。
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詐欺だと分かってから改めて本編を思い返すといろんなシーンで、あ、なるほどと思うし、登場人物に無駄がなかったなと思う。パブにいる少女がああいう風に関係してくるとは思わなかったし、鑑定人の秘書的なひとも最後に出てくることで精神世界ではなく現実からの視点で鑑定人の現状を第三者視点でみることが出来たし。無駄がないぁ。
神は細部に宿る、みたいな?
ちょっと、違うか。
とにかく、見終わってからいろいろと考える映画でした。
見終えてからいろいろと考えさせれっる映画っていい映画の要素のひとつだと思うんですよね〜。
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うーん、まったく文章がまとまってないな〜。もっと感想を上手く表現できたらいいんだけどね。涙が出そうなくらい下手だわ〜。
まぁ、実際に目の疲れ目がしんどくて、いま涙を流してるけどもね!ボロボロ涙が流れでるよ!
自分の文章を読み返すのが物理的に厳しい。辛い。色んな意味で涙が出てる。
もう少しまともな文章を書くためにはまずは疲れ目をなんとかしないとな〜。