夜のピクニック ☆☆
うーん。あまり私は好きじゃなかった。
夜のピクニック:恩田陸
高校生にしてはませてるというか、考え方が大人すぎで周囲に対して理解を示しすぎ。
もっと、人間というか、高校生ぐらいって自分勝手で今が楽しくて、どうしようも無くて、何も考えてないんじゃないかな。
もちろん考えてる人は実際にいるだろうけども、どうも違和感。
なにより、一人称が凄く違和感を感じる要因だっった。
あれだけずっとずっっっと一日中歩いていて、しかもラストには走ったりしてるのに、それでも風景描写が凄く細かったりして違和感。
疲れていたら何も考えれないんじゃないかな普通。
もしこの話を書くなら一人称じゃなくて、後日、誰かがこの話を書いてるという設定にするとかした方が良かったんじゃないかな。そしたら、情景描写や心理描写が細かくても、違和感は感じなかったかも?
それと、「いまのこの情景を感じるのは今しかない」といった事の内容が多用されすぎ。
最後にここぞ!という場所で印象的に書いて欲しかったな。
あと、登場人物に人間味というか深さが感じられなかった。
なんだか綺麗な部分だけを掬いとったっていう印象。上澄みというか。
一応文章中にドロドロした部分を書いたりしてるんだけども、そんなにドロドロしてない。さっぱりして軽い。
ドロドロしてるよーという体で書いてるって感じがした。
愛人の子と同級生とか絶対に嫌だろう。
正妻の子と同級生とか気まずいだろう。
もちろん、それも文章中に書かれてた。でも、なんだろ、そこまでドロドロな心の醜さが描ききれてない気がする。
うーん、きっと作者は綺麗な心というか、そこまで劣等感とか疑心とか嫉妬とか感じた事がないんだろうな。
それは素敵なことだろうけども、私からしたら物足りなかった。
ま。単純にこんな素敵で輝いた青春なんて送ってねーよ!!って、それこそ嫉妬心からこの小説が好きになれないんだろうけどもね。
他の恩田陸さんの作品は結構好きだし笑