海賊とよばれた男 ☆☆☆☆
今の日本人にぜひ読んで欲しい一冊。
海賊とよばれた男/百田 直樹
忘れられつつある日本人の心があった小説。
国岡鐵造の店員に向ける言葉、信頼、個人の利益に囚われず日本という国への献身的な姿勢。諦めず、妥協しない信念。
そんな大切な事がこの1冊の本にいくつも描かれていた。
書店で少し気になって立ち読みをした時、その冒頭の終戦直後の店主の言葉に心が震えた。今では感じることがない、信念のある言葉だと思った。
これは読むしかないと、そのままレジに直行。
正直いいうと、経済的な部分は全く分からなかったけれども、それでもこの本に出てくる国岡商店の登場人物達がとにかく凄い。
仕事に誇りを持つということはここまで輝けるのかと感じた。
そしてその誇りを持つに至る中心核となるのが国岡鐵造だと思う。
国岡鐵造の漲るパワーは一体どこからやってきてたのか。
アメリカのメジャーにも引かぬ、その豪胆さというか。
芯が一本通ってるというか。
真っ直ぐでぶれない信念とは凄い力なんだなあと。
しかしそんな国岡鐵造でも若かりし頃は苦悩し挫折を味わう。
むしろ、学校では出来そこない、変人として扱われる。
それでも、自らを信じ、挫折すらパワーにして積み上げてきた姿に感動する。
諦めず自分を信じる力とはこう言うことなんだろうなと感じさせられた。
あと、 日田重太郎。この人物の先見の明も凄い。
そして国岡鐵造という人物に全てをかけるその思いの深さ。
誰かをそこまで信じる事は難しい。
それを何でもないかの様にさっぱりとしているこの人こそ本物の影の立役者。
この小説を読んだ後に、国岡商店のモデルとなった出光のCMがテレビで流れているのを見ると、凄く応援したくなった。
今の日本も大変な時期にあるが、だからこそ国岡鐵造のような日本の志士が現れることを切に願う。
追記
ふと、海賊からの連想でワンピースを思い出したけど、仲間の大切さとか信念とかをワンピース何十巻から読むより、この一冊を読むだけで十分じゃないかな?って思ったり。
ワンピース面白いけどもね。